ナツコと2泊3日の旅へ出る~中耳炎との闘い②~

手術当日。朝6時半起床。身支度を整える。

7時半。看護婦さんに「水は飲んだ?」と確認される。

「いえ、まだおきてから飲んでません。」と答えると、「水は手術の2時間前から飲めないのよ。もう・・・(時計をみる)2時間ね。」と宣告される。

昨日子供と一緒に、手術のせつめい見たじゃん。書いてあったじゃん。バカな母でごめんねナツコ。

 

シャワーを浴びる。

手術用の浴衣?に着替える。キャップをつけると、本当に緊張な空気に・・。

8時半(かな?)

麻酔前の薬を飲む。これが苦かったらしい。あとで考えると、手術で1番てこずったのがこの薬だったかもしれない。

薬をもってきた看護婦さんに「まだキャップは早いわね」と取ってもらう。張り切りすぎた母、ちょっと赤面。バカな母でごめんねナツコ。

 

この薬を飲むと、ちょっと酔ったみたいにハイテンションになるか、フラフラするらしい。

その後、点滴をする。

「5歳だから脱脂綿に湿らせて、口を覆う手をあるんだけど、点滴とどっちがいい?」と聞かれて、すぐさま点滴をお願いする。

だって、まるで誘拐犯みたいで怖いんだもん・・。だし、喘息で点滴には小さいころからお世話になってるので。

点滴が本来の形でしょう?と判断。

で、点滴をする。

さすが、ナツコ。なんなくクリア。

いつか昔、喘息で入院したときは、動かないように手に板をつけて、包帯でグルグル巻きにしたけれど、今回は曲がる針なんだって、本人、手の違和感を確かめ・・そのうち「ぐーちょきぱー」と手遊びを歌いだす。

Mにもほどがあるぞ!!見てるこっちが痛い!!

で、9時15分。看護婦さんお出迎え。いつもと違う看護婦さん。

ベットに寝かされたまま、手術室へ移動。

移動中、ナツコをみかける年配の方たちは「あれ~小さいのにかわいそうに」と哀れみの声。

(でも本人は、動くベットの初体験に目は輝いていた)

 

手術室前には、ナツコ同様これから手術をしようという方たちのベットで、ちょっと連なる。大きい病院だもんね~、と妙に納得。

先生たちが挨拶にくる。ナツコは笑顔で「よろしくお願いします。」という。

そこで付き添いにかけつけてくれたパパさんとお別れ。

手術室の中にちょっと私も付いていく。

麻酔科の先生やら、どこ担当なのか?よく分からないけれど、6人くらいの看護婦さんや先生からが待機。

大抵の子供は、頭に帽子をかぶり、同色の服、マスク、見えるのは目だけ、しかもみんななぜか眼鏡、この集団に囲まれ恐怖で泣くらしい。先生に「なんて順応性の高い子供だ」と驚かれる。

テレビにはトトロがついていて、めいが丁度、マックロクロスケを叩いて捕まえるシーン。彼女はもうトトロの世界に。

ベットから、手術台に移動するのも、本人が自分で移動。でもさっきの飲み薬のせいか、すごくフラフラ。

先生に「なんてすごい子供なんだ」とまた驚かれる。(きっとここでおお泣きする子供をみんなで移動させているんじゃ?)

 

私は、ここから先の光景を、多分一生忘れられないと思う。たった5分くらいのこと。

先生は、ナツコに「トトロみたことあるの?」とたわいのない言葉をかける。

返事をするナツコ。

一方の先生が、ナツコの点滴に1本の注射をさす。

ナツコはトトロをみている。でもどこか天井をみている。

次に、もうちょっと大きな注射をさす。あんまりの緊張で、私の足元がぐらつく。さっき、時間がなくて慌ててパンをお腹に押し込んでおいてよかった・・なんてふざけたことを思う。

話しかける先生。「ナツコちゃん?」

でも、どこか天井をみているナツコ。

再度看護婦さんたちも声をかける。天井をみたままのナツコ。

すると、先生が「はい。御母さん、麻酔は効きましたよ。」と言う。

「え?でもまだ・・」と私が言うと「目は開いてますが、あいてるだけで意識はありませんよ」と言って、まぶたを手で覆う。

私は、本人の意識がなくなるまで~だったので、その場をそそくさと退散。

手術室から、控えの場所まで看護婦さんが誘導してくれ、(本当に迷子になりそう)その間「本当にいい子でしたよ。こんなにスムーズにいけるなんて。あとで誉めてあげてくださいね。」なんて言われたっけ。

けど、その間、私はさっきの光景が衝撃すぎて言葉にならなかった。

意識がないのに、目があいたままの我が子。

目が開いたまま、意識のない我が子。

だって、今にも起きてきそうじゃない。笑って話かけてきそうじゃない。

涙がこぼれそうで、でもそんなところで泣いたら「あらら~。子供はしっかりしてて、親が取り乱してちゃ~」なんて思われたらナツコにも申し訳がたたない。とガマン。だって、たかが大人だったら通院で出来ちゃう手術でしょ??

・・・でも・・・あんな小さな注射で、あの子の意識がなくなった表情。

もう二度と、ナツコの笑顔に会えなくなるんじゃないかという恐怖感。

またまた極端な~、なんて笑われると思うけど、本当に恐怖そのもの。全身麻酔って本当に怖い。

手術自体は30分もかからないもので、意識が戻ったら出てくるという話だったけど、1時間しても出てこないし。これまた恐怖で。

本当に生きた心地がしませんでした。

 

病室にもどってきても、意識はあやふやみたいで、はっと起きようとしては白目になって、また眠り、その様子もまた母を不安にさせ・・。

結局ちゃんと意識が戻ったのは2時ころだったかな。3時ころだったかな。

本当に怖かったです。

 

意識が戻り、口がきけるようになって、起き上がれるようになって、本が読めるようになって、トイレがいけるようになって、おなかが空いたというようになって・・・そこから先がまだ別の戦い。

空腹児と戦う空腹母。私だって腹へっとるんじゃい!!

 

6時20分ころ、夕食が届き~、満面の笑みのナツコ。空腹に売店へ走る母。

・・売店が閉まってて、衝撃のあまり言葉をなくす母・・・。

健康ってすばらしい。お腹がすくってすばらしい。

そう痛感した母でありました。

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